こんにちは!情報発信担当のにしがきゆうこです。→自己紹介はこちら
今回は、Local Innoventures副理事長の土原翔吾さんにお話を伺いました。その多岐にわたる活動の根幹にある想いや、これまでの経歴、そして今後の展望について語っていただきました。
その内容を、インタビュー形式でご紹介します。
教員から現在まで。挑戦の歩み
これまでの経歴を教えていただけますか?
生まれてから中学までは大阪で、高校は和歌山、大学から神戸に出てきました。神戸大学の発達科学部から大学院に進んで、教員になった、という経歴です。性格は…昔からもう、ポジティブで楽観的ですね。小学校の通知表にずっと「好奇心旺盛」って書かれ続けるような、とりあえず行動しちゃうタイプの子どもでした(笑)。
教員から独立されたきっかけは何だったのでしょうか?
きっかけは、大きく二つありますね。
一つは、僕自身がADHD気味で、好きなことにのめり込むタイプだったんですけど、僕の周りにもそういう子が多かったんです。勤めていたのが進学校だったので、どうしても偏差値っていう物差しだと、その子たちの良さって評価されにくいんですよね。もっと彼らの可能性を広げてあげたいけど、教員っていう立場じゃ限界があるな、って感じていました。
もう一つが、あるイベントでの出会いです。交通事故で車椅子になった方が、「誰もが海を楽しめる活動を立ち上げたいんだ」って熱く語っていて。その姿に「これだ!」って思いましたね。「社会貢献は、別に学校じゃなくてもできるな」と感じて、長男が生まれる年に教員を辞めちゃいました。
独立後、現在はどのような活動をされているのですか?
独立したのはいいんですけど、ビジネススキルがゼロだったので、最初はもう大変でした(笑)。理系だったので、なんとかホームページ制作や広告運用を自分で学びながら個人事業を始めた感じです。
その後、立ち上げに参画したのが、障がいのある方も楽しめる「須磨ユニバーサルビーチプロジェクト」という法人で、これは今、全国33の都道府県で行政とも連携しながらやっています。
あと、妻の地元がすごく素敵な場所なんですけど、なかなか変わらない部分もあって。「もっとこの地域、面白くなるのにな」って思って、次男が生まれる年に首長選挙に出馬したこともあります。
今は、そういった2つの法人と個人事業を同時に動かしながら、「誰もが挑戦できる社会」がいいなと思って活動しています。特に、課題を抱えている地域や人を後押しするようなプロジェクトができたら最高ですね。
活動の核となる「地域」と「人」への想い
パートナーである薮田さんとの役割分担はどのようになっていますか?
好きなTEDの動画で、社会運動の起こし方の話があるんです。一人目が裸で踊り出しても変なやつだけど、二人目が踊り始めた瞬間にムーブメントになる、っていう。僕は結構、その「二人目」になることが多いかもしれないですね。誰かが「これやりたい!」って言ってるのを見つけると、「いいね!一緒にやろうよ!」ってなっちゃうんです。
薮田さんが広い視野でいろんな人や地域をつなげてくれるので、僕は特定の地域にグッと入り込んで、汗をかく実行部隊みたいな感じですかね。口だけじゃなくて、実際に地域で法人を立ち上げたり、選挙に出たりするやつがいるっていうのが、ローカルイノベーションの強みというか、両輪になっているといいなと思っています。
地域への強い想いはどこから来るのでしょうか?
なんでしょうね、やっぱり自分自身が田舎出身だからじゃないですかね。出張で東京とか行くと、朝起きて窓の外がビルだと、もう嫌になっちゃうんですよ(笑)。目の前は田んぼか山か海じゃないとダメなんです。
阿蘇の草原って、人が使い続けたからこそ、あの綺麗な景観が残っているんですよね。放置したら森になっちゃう。だから、地域にある「残すべきもの」はちゃんと残しながら、でもビジネスとしてちゃんとお金が回る仕組みを作りたい。何でもかんでも都会みたいにするんじゃなくて、その地域らしさを守りながら発展していくのが理想ですね。
過去を力に、未来を描く
教員時代の経験が、現在の活動に活かされていると感じることはありますか?
それはもう、人前で話すのが全然平気になったことですね! 教員の時はクラスの40人でしたけど、今は講演とかで何百人の前で話す機会もいただけますし、選挙の時は1週間で何万人もの方に話しかけていましたから。そういう度胸がついたのは大きいです。
一瞬の関わりの中でも、誰かにちょっとでも良い気づきを与えられたらなっていう気持ちは、教員時代も今も全く一緒ですね。
今後の夢や目標についてお聞かせください。
いやあ、それが、あんまり決めきれてないんですよね(笑)。
でも、根本にあるのは、やっぱり「社会の課題を事業を通して解決していきたい」っていう気持ちです。特に、次の世代の子どもたちのために何かできたらなと。そのために、障がい福祉の須磨ユニバーサルプロジェクトをやったり、地域創生のローカルイノベンチャーズをやったり、手段を使い分けている感じですね、僕の中では。
将来的には、薮田とも話してるんですけど、日本の地域の課題解決って、世界的に見たら先進事例になり得ると思うんです。日本の歴史や文化を活かした取り組みを、世界に発信できるようになったら、めちゃめちゃ面白いなって思ってます。
最新記事 by にしがきゆうこ (全て見る)
- 副理事長・土原翔吾さんインタビュー - 2025年8月12日
- 理事長・薮田明朗さんインタビュー - 2025年6月26日
- ライター にしがきゆうこ 自己紹介 - 2025年6月23日